スタッフブログ

スタッフブログ

木造住宅の寿命を知る:耐用年数とその影響を受ける要因

住まいの豆知識

2023/09/15(金)

一戸建て住宅といえばその90%は木造住宅です。
その木造住宅の耐用年数は何年なのか、寿命はいつまでと考えれば良いのかなど疑問を持っておられる方も多いのではないでしょうか。同じ木造であっても何十年もの間メンテナンスを繰り返し維持し続けている住宅もあれば、35年程度で老朽化してしまう古い住宅もあります。
ではその差はどこにあるのでしょうか?

今回は木造住宅の耐用年数と寿命を少しでも延ばすポイントについて解説します。

*もくじ*

1│木造住宅の耐用年数とは

2│耐用年数を延ばすための3つのポイント

3│地域の気候と木造住宅の寿命

4│まとめ


1.木造住宅の耐用年数とは

それでは木造住宅の耐用年数について見ていきましょう。

法定耐用年数とは

まず法定耐用年数についてですが、これは22年になっています。そもそも法定耐用年数とは、減価償却の計算に使用されるものなので実際の建物の寿命というわけではありません。木造住宅の耐用年数は、いわゆる減価償却資産が利用に耐える年数のことを指します。
例えば自動車の減価償却は6年と決まっているように、その物の価値がある期間という解釈で制定されるものなのです。つまり、木造住宅は22年間の間に少しずつ価値が下がって22年で価値がゼロになるということですね。

その他にも様々な見解の耐用年数があります。

・物理的耐用年数

物理的耐用年数は建物の構造材が物理的原因や化学的要素により劣化を伴う耐用年数であり工学的な見地によって決められる年数ということです。様々な要因によって異なりますが一般的には木造住宅では65年程度とされています。

・経済的耐用年数

経済的耐用年数は不動産市場で売買される価値のある期間を指します。立地条件や築年数、建物の状態やメンテナンスの質などによっても変化します。日本国内の木造住宅の経済的耐用年数は需要が低いため短くなる傾向です。

・期待耐用年数

期待耐用年数は通常の使われ方やメンテナンスなどの維持管理で使用可能な年数を指します。中古住宅の需要の低さが背景にあり、それを改善する目的のためにあります。
今まではリフォームやリノベーションを行っていても耐用年数として反映されなかったのですが、この期待耐用年数の導入により中古住宅の価値が正当に評価されるようになりました。

 

耐用年数と実際に住み続けられる年数は違う?

木造住宅の耐用年数とはどのようなものなのかが分かったと思いますが、実際に住み続けられる年数とは全く異なります。一般的に木造住宅の寿命はという質問をすれば、大抵の人は30年程度と答える人が多いのではないでしょうか。
しかし、住宅ローンを考えてみると35年ローンを組みますよね。20歳代の若い世代であれば40年ローンを組む人もおられます。寿命が30年と答えている人も実際は35年のローンを組むというのは違和感がありませんか?
また、築年数が50年という家もあれば築年数100年以上の日本家屋も少なくありません。つまり、木造住宅というのは一概に30年とか35年などというように決めることはできないというのが現状です。木造住宅のリアルな耐用年数は、期待耐用年数や物理耐用年数を目安にする方が現実的ということになるでしょう。


2.耐用年数を延ばすための3つのポイント

次に実際に木造住宅の耐用年数を延ばす方法があるのでしょうか。その方法で少しでも寿命を延ばすポイントを見ていきましょう。

高品質な建築材料の選定

木造住宅といえども様々なレベルの木造住宅があります。
全て同じ建築材料を使っている訳ではないのでその素材によっても耐用年数は異なります。木造住宅の構造材の品質にもレベルがあり、躯体そのものが粗悪な建材を使用していればそれだけ寿命は短くなります。

その他屋根材や外壁材など家の内部を守るべき建材のレベルが低いと経年劣化が早くなり、耐用年数が短くなるということも考えられます。つまり、良い品質の建材や高品質な素材を使用しなければ長持ちさせることは難しいということです。
例えば建売住宅と注文住宅と比較した場合価格が当然ですが違いますよね。建売住宅は建材や住宅設備の大量発注などのスケールメリットで安く設定されている部分もありますが、やはり価格重視されている消費者のニーズに沿って安価な建材で補っているということになります。これは、建売住宅を購入する人たちの目的のために作られた住宅だからそうせざる負えないのです。

一方注文住宅は価格よりも住宅性能を重視し、耐用年数や美観のために素材には高品質な建材を予算の範囲内で使用します。その分価格も高くなりますが、耐用年数を延ばすためには必要な条件になることは間違いありません。

施工方法

いくら高品質な建築材料を使用していたとしても実際に施工するのは施工業者です。施工方法が手抜き工事をしていたり、少しでも安くするために安価な材料で定められた施工方法を無視するような業者が建てた建物は長持ちはしません。
例えば、ビスや釘など建築材料を固定する物の品質を落としたり、決められた間隔でビスを固定しなかったりでは耐用年数は短くなります。施工方法を間違えると地震や台風などの災害が起こった場合に顕著に症状が現れるのです。規定の間隔でビス留めしていない箇所などは緩みや湾曲で隙間ができたり、特に外部の外壁や屋根、雨仕舞い板金などの施工は最も重要です。

また、コーキングの施工不良なども後々劣化速度を早めることにもなります。地震や台風などの災害によってわずかな亀裂やクラックなどから雨水が壁内に浸入し構造体である柱や梁、土台まで腐食させてしまうこともあります。
つまり、しっかりした施工ができる業者に依頼しなければ、知らず知らずの間に建物は劣化速度が速くなっているということです。新築住宅やリフォームは信頼できる業者に頼まなければ、耐用年数が短くなり早く寿命がやってくるという結果になります。

定期的なメンテナンス

信頼できる業者に建ててもらってもメンテナンスを怠っていれば耐用年数は延びません。特に屋根外壁など家の内部を守る外側のメンテナンスが重要です。
スレートの屋根、窯業系サイディングのパターンが多い日本の住宅ですが、必ず屋根外壁の塗装のメンテナンスが必要になってきますよね。定期的に点検を行い塗装のメンテナンスをしている家は、長持ちしますし耐用年数も延びます。
とにかく家というのは、雨水や湿気を壁の中や室内に浸入させてはいけません。材木が腐食しシロアリが発生すれば、家は一気に劣化が急ピッチに進んでしまいます。そうならないためには、まだ塗装しなくても持つだろうとメンテナンスを先延ばしにしないことです。
スレート屋根と窯業系サイディングの組み合わせであれば、なおさら10年に1度の塗装工事が必要になります。もちろん高品質な塗料で15年維持できるものもありますが、その塗料の耐用年数を考慮して塗装のメンテナンスを怠っては耐用年数は延びないということです。


3.地域の気候と木造住宅の寿命

日本は南北縦に長い地形ですので、北海道と沖縄では住宅事情も変わってきます。
寒冷地で雪深い北海道や東北では、屋根に積もる積雪によって屋根が傷みやすくなります。一方沖縄は台風が多くコンクリート造の家もたくさんあり、木造住宅に関しては台風で屋根が飛ばされたりします。
それぞれの地域によってダメージを受ける箇所も異なり、そのメンテナンス方法も様々です。積雪に耐えうる屋根が必要な寒冷地、台風対策を考えた屋根や外壁などが必須の南の地域は木造住宅の寿命を延ばすためにはそれぞれの対策が必要ということです。


4.まとめ

木造住宅の耐用年数は様々な角度から何年と表されていますが、寿命を延ばすためには高品質な建材と施工方法、定期的なメンテナンスが不可欠です。それさえ守っていけば耐用年数を延ばすこともできるため、木造住宅は長い間住み続けることも可能になるのです。

愛知・岐阜で注文住宅を手がける新和建設は
地元の木を使用した家づくりを行っております

スタッフブログ

アーカイブ

最近の記事一覧

LINE友達登録・メルマガ登録で最新の見学会情報をお届け

こんな方にLINE友達登録・メルマガ登録が便利です!
  • 希望に一致する家の見学会が開催されていない
  • 見学会に行ってみたいけど開催場所が家から遠い
  • 見学会に参加しようとしたらすでに定員に達していた

 新築やリフォーム、
家づくりに関することなら
何でもお気軽にご相談ください

無料相談会やイベントも開催しています。
家づくりのお困りごとはプロにご相談ください!