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相続で家族トラブルを起こさないために

住まいの豆知識

2024/05/10(金)

不動産を「相続」した場合、売却するのが一般的ですよね。
売却するにあたって家族間でトラブルが起こるのはよくある話です。
そこで今回は2024年4月から施行される不動産の「登記申請義務化」について解説します。

*もくじ*

1│相続登記とは

2│登記申請義務化とは

3│なぜ登記義務化が施行されるのか

4│相続登記をしないとどうなる?

5│まとめ


1.相続登記とは

相続登記とは、被相続人が所有していた不動産の名義を相続人の名義へ変更することをいいます。
不動産を相続した人は、相続を原因とする所有権移転登記を申請する必要があります。
それがいわゆる相続登記なのです。
不動産の所有者が一体誰なのかは、法務局で管理されている登記簿に記録されています。
例えば父親が亡くなり、父親名義の不動産を子どもが相続する場合、子どもはその不動産を管轄する法務局に相続登記を申請する必要があります。
父親名義から子どもの名義へと変更しなければならないということです。


2.登記申請義務化とは

■登記申請義務化は2024年4月1日から開始されます

以前は相続登記を申請するかどうかは相続人の任意でしたが、2024年4月1日からは義務化する法律が施行されることになりました。
相続された方は必ず相続登記を申請して名義変更することが必要です。

■違反した場合は10万円以下の罰金 

2024年4月1日以降は、不動産を相続したことを知った時から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
登記できない正当な理由がなければ10万円以下の過料が科せられることになります。
不動産を相続したことを知った時というのは、自身に相続の開始があったことを知った時です。
またその所有権を取得したことを知った日のことをいいます。

様々なケースがあるので見ていきましょう。

遺言書が存在した場合
遺言書があった場合は、自身が不動産の所有権を取得したことを知りますよね。
その場合は遺言書を確認した日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。

遺産分割協議が行われ成立した場合
遺産分割協議が成立した場合には、自身が相続人であることを知り、相続財産の中に不動産が存在することを知った日から3年以内に、分割協議の内容を踏まえた相続登記を申請する必要があります。

遺産分割協議が成立しなかった場合 
自分が相続人であることを知り、相続財産の中に不動産があれば3年以内に相続人申告登記の届け出を行わなければなりません。
その後に遺産分割協議が成立したら、その成立日から3年以内にその内容を踏まえた相続登記の申請を行う必要があります。

■過去の相続分も義務化になる 

今回の登記義務化の最大のポイントは過去の相続分も対象になることです。
今回の義務化は2024年4月1日ですがそれ以前に発生していた相続にも適用されます。
過去に遡り法律の効力が発生することで、過去に相続した相続登記が未だ完了していない不動産も登記義務化の対象となるのです。
過去の相続の場合には施行、または不動産を相続したことを知った時のいずれか遅い日から3年以内に申請する義務が発生します。
また、正当な理由がないにもかかわらず、期限内に申請を怠れば10万円以下の過料が科せられます。


3.なぜ登記義務化が施行されるのか

なぜ相続登記が義務化されるのかその背景について見ていきましょう。

それは、所有者不明の土地がたくさんあるからです。
所有者が分からない不明な土地とは、法務局で登記簿を調べても所有者が誰なのか分からない土地、または所有者が判明してもその所有者に連絡が付かない土地があります。
所有者が分からない土地があると公共事業や様々な事業を進める上で妨げになります
空き地として長い間放置されることで雑草が生え、ゴミが不法投棄されたり、時には不法占拠者などのあらゆる問題が生じます。
そういう意味で周辺の治安の悪化や公衆衛生上に悪い影響を及ぼすのです。

現状でこのような所有者が分からない土地は国内で約24%にのぼると推定されています。

この所有者がわからない土地が発生する原因は、やはり相続登記が未だ完了されていない現実があるのです。
相続登記がされていないと法務局で登記簿を調べた時に、亡くなった所有者のままになっています。
その状態が長い間放置されることで相続人の数が膨れ上がり、相続人が音信不通になったり、行方が分からなくなったりして所有者が確定できなくなるのです。

そこで所有者不明の土地の発生を予防するために、相続登記が義務化されるということが背景となっています。


4.相続登記をしないとどうなる?

それでは相続登記を長い間放置した場合にはどのようなことになってしまうのでしょうか。

相続人が増えて権利関係が複雑になる
長期間相続登記をしなければ、相続人の数が膨大に増えてしまって、権利関係が複雑になってしまいます

例を挙げると所有者が亡くなってその相続人が子ども3人としましょう。
相続登記をしないままその子ども3人が亡くなった場合、またその子ども(所有者の孫)が相続人となります。
その子どもも亡くなったとすれば 一体どうなるのでしょう。
それぞれの3人の子どもの孫が全員集まって、全員の合意がなければ相続登記を行うことは事実上かなり困難になってしまいます。
このような現象が起きれば、いつまでもその土地が誰のものでもない状況が起き、そこで普段付き合いのないもの同士が財産のことでトラブルになり兼ねません。
そういった意味でも相続人は相続登記を早くする必要があるのです。
それが最も複雑にならずに無駄な時間と費用を掛けずに済むということです。
親戚同士にもかかわらず財産を巡ってのトラブルを避けるには、所有者が亡くなった場合、相続人の相続登記を迅速に行うことが最良の結果につながるのです。

簡単に売却できない
不動産の相続登記をしないということは登記簿上は亡くなった所有者のままになっています。
そのため不動産を売買することはできません。
また、不動産を担保に提供したりすることも、所有者と登記簿上の所有者が一致していないとできないということになります。

相続登記をしないまま相続の権利がある人が、今は売却するつもりがないので放置してしまうというケースがよくあります。
しかし、いざ売却しようとした場合に他の相続人と連絡がつかなかったり、手続きに協力が得られなかったりした場合には売却は不可能になります。

つまり相続登記を放置すると、売却や担保提供ができないということになるため注意が必要なのです。

差し押さえや共有持分を売却されることも
複数の相続人の中には借金をしている人がいる可能性もあります。
その相続人の債権者が相続人に代わって法定相続による相続登記を申請して、借金をしている相続人の持ち分を差し押さえることもできます。
またその相続人も自分の持ち分を売買したり、担保提供したりすることが可能です。
そのため相続登記をしないで放置している間に、本来の相続人ではない第三者が権利関係に入ってくることもあるのです。


5.まとめ

このような理由で今回不動産登記の義務化が施行されることになりました。
迅速に相続登記をすることは、ある意味自分の財産を守ることに繋がり、家族間や親戚同士の揉め事を回避することに繋がります。
相続登記の手続きが面倒で費用も掛かるので放置する人が多いですが、実は放置すると無駄な費用と時間、家族間のトラブルに繋がるということです。

相続に直面している方は、3年以内に相続登記をしないと10万円以下の過料が科せられますので必ず行いましょう。

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