モデルルームのようなシンプルな室内空間や開放感あふれる吹き抜けは、誰もが一度は憧れるのではないでしょうか。一方で、暮らしやすさを考えてためらう人も多いように思います。飛騨市のT様夫婦と二人のお嬢様が暮らすご邸宅には、そんな方へのヒントが隠されていました。

ダークブラウンの木製フェンス越しに、オフホワイトの外壁が春の日差しを受けてキラリ。２階のピクチャーウインドウ越しに覗くシーリングファンが楽しげなリズムを感じさせます。

T様ご夫妻が洗練された室内空間を演出するため気をつけたポイントは、生活感のあるものを隠すことでした。玄関はシンプルなコンクリート土間の広いエントランスで、まるで料亭のようです。隣に大型シューズクロークを設けているので、靴や上着、生活雑貨などはお客様には見えません。

白を基調とした吹き抜けのリビングとダークモダンなダイニング、小上がりの和室はひとつながりになっており、開放感を与えてくれます。

広い空間は心地良いですが、心配なのは光熱費です。和室、ダイニング、リビングの間にはそれぞれ可動式の壁が収納されており、必要に応じて各部屋を完全に仕切れるようにされました。

冬は毎朝ダイニングとリビングの間を仕切り、朝食時の暖房費を節約されているそうです。和室は仕切ればゲストルームに早変わりします。ご夫婦とも仕事で作業着を使うため、着替えが便利なように脱衣所にオープンクローゼットを設置しています。2階の多目的ルームはお嬢様の遊び場の他、雨天時の洗濯物干し場にもなります。

２つの子ども部屋に用意された、作り付けのベッドと大収納のオープンクローゼットには「女の子だからたくさんお洒落できるように」という奥様の愛情がたっぷり詰まっていました。

隣の家の視線が気にならないようにと、窓の位置にも気を配られています。家族4人の暮らしやすさにこだわりながら、こんなにも魅力的なお家を作られたT様ご夫妻の努力に感服です。（都筑）