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今回は、地震や台風に強いとされる「剛床工法」について解説します。
愛知・岐阜でも、災害のリスクは常に存在します。災害に強い家づくりのために、剛床工法の特徴やメリット・デメリットを正しく理解しておきましょう。
*もくじ*
剛床工法(読み方:ごうしょうこうほう)とは、床下地材である厚みのある合板を梁に直接貼り付け、根太を使わずに床を構成する工法です。そのため「根太レス工法」とも呼ばれます。
書いて字のごとく「床を強くする工法」であり、現在では愛知・岐阜エリアでも多く採用されています。
従来の根太工法は、木造住宅の床組みにおいて、大引の上に根太を置き、その上に床下地合板を貼る方法です。
幅45mm、高さ60mmの水平材を303mmの間隔で組んでいきます。
特徴としては、根太と大引が床にかかる荷重を吸収し分散させるため、床の耐震性を高めるとともに、床下空間を形成し通気性を向上させるところです。
根太工法のメリットとして耐震性が高く通気性が良いところはあるのですが、一方のデメリットとしては根太を使用するため作業に手間がかかり、工期が長くコストが高くなるという一面もあります。
愛知・岐阜でも今までの床下の構造は根太工法が主流の工法でした。
特徴
剛床工法は地震や台風などの災害に強く、床のたわみなどを抑制する方法でもあります。
厚みのある合板を梁に直接貼り付けた面構造で地震の力を分散させるため耐震性能が向上します。
地震の揺れに抵抗するための水平構成(ねじれに対する抵抗力)を向上させ、建物全体が一体となり地震の揺れや台風などの強い圧力を受け止めやすくするのです。
また、床のたわみを抑制したり火災時の燃え抜けの抑制にもつながります。
さらに、材料の量も若干少なくなるため施工が簡単で、施工時間を短縮し工期を短くできるという利点もあります。
性能基準
性能基準としては、建築基準法に基づく耐震性能を満たしている必要があります。
また、耐震等級も3相当など高い耐震性能を持つものが多く採用されています。
床倍率は床の強さを表す指標で、3が最高ランクになり、従来の工法と比較して約3倍の強度があると言われています。
さらに、地盤調査を行い、地耐力に応じた適切な基礎工事を行うことが必要です。
基礎の立ち上がり部分の幅は、公庫基準の最高値である150mmとするのが一般的となっています。
それでは近年、愛知・岐阜でも人気になっている剛床工法のメリットとデメリットを見ていきましょう。
地震や台風の災害に強い
剛床工法は横揺れや歪みに対して耐力を持つ技術なので、地震や台風の多い日本に最も適した方法と言えます。水平方向の力に強く、災害時の圧力に対して建物の変形を防ぎます。
一度地震や台風の災害によって強いダメージを受けた建物は、その時に持ちこたえたとしても次に再度同じような災害に見舞われた時には耐久性が発揮できない場合があります。
日本は何度も繰り返す大きな地震の揺れや台風被害に見舞われるリスクがあるのが現状です。
愛知・岐阜でも例外ではありません。
安心して暮らすために、この耐久性は大変大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
施工時間が早く工期短縮につながる
剛床工法は根太のような水平材を使用しないため、従来の根太工法と比べると材料の数が減少し、素早く施工ができます。
工事にスピード感をもたらすことで工期の短縮にもつながります。
床のたわみを抑制する
根太工法とは異なり厚い合板を使用することで床のたわみを抑え、歩行時の不快感を軽減できます。
火災時の燃え抜けを抑制する
剛床工法は床に貼る合板の厚みがあるため、火災時に下の階から燃え抜ける時間が長くなり、火災の広がりを抑制することにつながります。
設計の自由度が高い
剛床工法は構造上梁の配置に制約が少ないため、幅広い設計が可能になり、設計の自由度が高くなります。
そのため、思い通りの間取りを実現することにもつながります。
均一な施工ができる
従来の方法よりも簡単で作業を短時間で進めることができるため、ムラのない仕上がりで均一な施工が可能です。
材料が簡素化されることによって施工しやすくなり、想定外の現象が起きにくく、完成度の高い仕上がりになります。
通気性があまり良くない
剛床工法によって作られた床は、従来の根太工法で作ったものと比較すると通気性があまり良くないとされています。
そのため湿度の高い場所では、カビが生えやすくなったり、場合によっては材木が腐食してしまう可能性も出てきます。
この方法を採用する場合は、施工する際に湿気対策をどのようにするのかを確認することが必要です。
上階の音が下階に響きやすい
剛床工法は、根太のような水平材を使っていないため床下が空洞の状態になります。
そのため上階の足音や物を落とした時などに、下階に響きやすくなるデメリットがあります。
床の傾きに影響が出ることもある
剛床工法の場合は、躯体自体に不具合などがあれば床の傾きに影響が生じることがあります。
基盤の歪みが激しい場合にはしっかりとした床を構築できない可能性も出てくるので注意が必要です。
剛床工法は通気性があまり良くないので、カビが発生しやすい環境を作りやすくなります。
そのため、木材が腐食したりする可能性もあるため、床下の湿気対策が必要です。
カビを防止したり、シロアリや木材の腐食を防止するため、調湿作用のある材料や器具で多湿状態にならないように対策をしましょう。
剛床工法は床の音が響きやすいデメリットがあるので、防音材を使うなど、音が気になる方は防音対策をすることが必要です。
剛床工法の有無を確認するには、床の構造を実際に確認する必要があります。
その確認方法として、床をたたいて音を聞いたり、床の厚さを見分けたり、構造下地を確認するという方法があります。
例えば床をたたいて硬い響きがあれば剛床工法で空洞を感じる音であれば根太工法です。
注文住宅の場合は設計や仕様を確認すれば良いですが、中古住宅の購入の際にはホームインスペクターに依頼することで判断できるでしょう。
構造計算や施工計画書を確認し、設計通りの耐震性能の強度があるのかを確認しましょう。
また、柱周りや壁との接続部の気密処理を確認し、気密性や断熱性能がしっかりしているかを確認することも必要です。
他には、通気性が悪いため、換気設備の設置やカビ対策用の塗料などを使用し、湿気対策をしているかを確認します。
剛床工法の保証内容を確認するには、まず購入した住宅の契約書や保証書を確認しましょう。
契約書には住宅の構造や工法に関する詳細な情報が記載され、保証書には必ず保証期間や対象範囲などが記載されています。
剛床工法は、地震や台風に強く、施工の効率性にも優れた現代的な床構造のひとつです。
一方で、通気性や音の伝わりやすさなどのデメリットも存在します。
住宅購入や新築を検討する際には、剛床工法の特徴を十分に理解した上で、信頼できる建築会社と相談しながら検討することが大切です。
愛知・岐阜での住まいづくりを、より安全で快適なものにするために、ぜひ参考にしてみてください。
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