スタッフブログ

スタッフブログ

愛知・岐阜で建てる!耐力壁の基礎知識、住宅の耐震性能を支える重要な要素!

住まいの豆知識

2025/08/29(金)

住宅に興味のある方なら「耐力壁」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
耐力壁は、地震の揺れから家を守る大切な壁で、住宅の耐震性能を支える重要な役割があります。
今回は、地震の多い日本、特に愛知・岐阜での住まいに欠かせない耐力壁について、わかりやすく解説します。

*もくじ*

1│耐力壁とは?

2│筋交いや構造合板など各工法における耐力壁の種類について

3│耐力壁の性能基準と地震に強い家をつくるためのポイント

4│まとめ


1.耐力壁とは?

①耐力壁の定義と役割

定義

耐力壁とは、主に地震や台風などの水平方向からの力に抵抗し、建物の倒壊や変形などの被害を防ぐ役割をになっている壁のことです。また、地震や強風による建物の揺れを抑制し、建物を支える大変重要な構造部材です。

役割

耐力壁の役割は、地震や台風などの外から受ける力に対して建物を守ることです。
また、柱や梁だけでは支えきれない水平方向からの力(水平力)を受け止めることができる壁として有効です。
さらに、建物の変形や倒壊を防ぐことで建物の安全性を高めることが大きな役割と言えます。

②建築基準法での位置付け

建築基準法における耐力壁は地震や風圧などの水平に抵抗する力(水平力)から建物を守るために必要な構造体力上の壁のことです。
建築基準法施行令第45条や平成12年建設省告示第1100号などで規定されており、壁倍率や配置に関する基準が定められています。

構造耐力上使用な部分

建築基準法での耐力壁は、構造耐力上主要な軸組等として建物の安全性を確保するために重要な要素として位置付けられています。

壁量計算

建築基準法では、それぞれの建物に必要な耐力壁の量を計算する壁量計算という規定があります。
この壁量計算に基づいて適切な耐力壁を敵所に配置する必要があります。

配置バランス

体力壁は数量を確保することだけではなく、建物に対してバランスよく配置することがとても重要になります。バランスが悪い偏った配置になると、地震の際に建物にねじれが生じたり倒壊しやすくなる原因になります。

水平力への抵抗

地震や強風などの水平力に対して建物の倒壊や変形などの被害を防ぐ役割を担います。

告示による基準

建築基準法施工例第45条や平成12年建設省告示第1100号では、具体的な耐力壁の種類(筋交いや 耐力な面材)その他配置に関する基準が定められています。

検証方法

木造の建物の場合は、壁量計算や4分割法などを用いて、その建物に対して体力壁の性能や配置が適切かどうかを検証します。

認定制度

国土交通大臣の認定を受けた耐力面材などを使用する場合には、その性能が評価されている壁倍率が設定されます。

改正

建築基準法は様々な社会情勢や技術の進歩に伴って改正されることがあります。
例えば、伝統工法に関する規定や壁量計算に関する様々な規定が、その都度見直されることがあります。


2.筋交いや構造合板など各工法における耐力壁の種類について

①木造軸組工法の耐力壁

木造軸組工法における耐力壁は主に筋交いを用いた耐力壁が用いられますが、面材やブレース工法も選択肢として有効です。
配置のバランスや方向も重要で、偏心率を考慮した設計が必要となります。
木造軸組工法は、柱と梁で構成され日本では木造住宅で最も多く採用されている工法と言えます。

この工法で使われる耐力壁は主に2種類です。
筋交いを用いた耐力壁は、柱と梁で構成された四角い枠組みに斜めに筋交いを組み込むことで、水平方向からの力に抵抗します。
片筋交いは筋交いを1本斜めに通す方法で、たすき掛け筋交いは筋交いを2本クロスするように通す方法で片筋交いよりも強度が上がります。

②ツーバイフォー工法の耐力壁

ツーバイフォー工法では壁・床・天井を2インチ× 4インチの角材と面材で構成されたパネル工法です。
面で力を受け止めるため耐震性が高いと言われています。

ツーバイフォー工法は柱や梁で支える在来工法とは異なり、壁面全体で建物を支えるため地震の揺れを面で分散し建物への揺れの影響を軽減することができます。
耐力壁の配置ルールとしては、建物の出隅入隅には90cm以上の壁を設ける必要があり、耐力壁の長さは 90cm 以上とする必要があります。
また、耐力壁で区画された空間の面積は40㎡以内とする必要があり、耐力壁の長短の比率は4以下にしなければなりません。
さらに、耐力壁の間隔は12m以下で開口部を設ける場合には、耐力壁線の長さの4分の3以下とする必要があります。
その他には、90cm以上の開口部にはマグサという開口部補強材を取り付けることが必要です。

③鉄筋コンクリートの耐力壁

鉄筋コンクリート造 (RC造)の場合はこの耐力壁を「耐震壁」とも呼びます。
鉄筋コンクリート造の建物には主に2種類の耐力壁があります。

まず一つ目は壁式構造で、柱や梁の代わりに壁全体で建物を支える構造になっています。
壁式構造の建物では、壁が主要な耐力壁となるため高い耐震性を発揮することができます。

次にもう一つの耐力壁であるラーメン構造ですが、柱と梁で合成された構造で壁は主に間仕切りとして使用されています。
ラーメン構造の場合、耐力壁は壁の厚みや鉄筋の量、配置によって耐震性能が異なります。

鉄筋コンクリート造の耐震壁は 図面や構造計算書で確認することができます。
一般的に壁の厚みが厚く、鉄筋が細かく入っている壁が耐震壁である可能性が高いと言えます。

また、外周部分や共用廊下側に配置されていることが、愛知・岐阜の建物でも一般的ではないでしょうか。


3.耐力壁の性能基準と地震に強い家をつくるためのポイント

①耐力壁の強度を表す「壁倍率」とは?

壁倍率とは、木造住宅などの耐力壁の強さを表す数値のことで、地震や台風などの水平方向からの力に対して壁がどれだけ抵抗できるかを示す指標です。
数値が大きければ大きいほど強い耐力壁であることを意味し、壁の種類や使用材料、施工方法によっても異なり、建築基準法で全て定められています。

壁倍率は建物の耐震性能を評価する上で重要なポイントとなります。
壁倍率1.0を基準として数値が大きいほど、地震や台風などの水平力に対して強い体力壁であることを示します。
壁倍率は壁量計算を行う際に、耐力壁の長さと掛け合わせて建物の総耐力を算出するために用いられます。

愛知・岐阜でも新築時の耐力壁の強さを表す壁倍率と、既存住宅の耐震改修時に用いる壁基準耐力は単位や計算方法が異なります。

②地震に強い耐力壁の配置方法

耐力壁は建物の重心と剛心の位置をよく考え、バランスよく配置することが重要と言われています。
重心と剛心が離れてしまうと地震時に揺れが大きくなってしまうため、バランスの取れた配置が必要です。
また、耐力壁の位置は1階と2階の上下階で揃えることがベストです。
特に窓の位置を揃えることで、耐力壁の位置が自然と揃いやすくなります。
さらに、建物を縦と横に2分割し、4つのエリアごとに 耐力壁が配置されているかを確認する平面4分割法でチェックすることが必要です。

これにより耐力壁の偏りを防ぎ、愛知・岐阜でも起こりうる地震の際のねじれ現象を軽減できます。

③耐力壁の開口部の制限

耐力壁線上にある開口部の幅は、その耐力壁線の長さの4分の3以下とする必要があります。
例えば、耐力壁の長さが4mの場合は、開口部の幅が3m以下でなければなりません。
また、開口幅が4mを超える場合も制限されます。
開口部を設ける場合は、開口部の強度を確保するために補強が必要になる場合もあります。
さらに補強が必要な開口部の大きさは、耐力壁の長さや構造によって異なります。


4.まとめ

耐力壁は、地震や台風から建物を守る住宅の要です。
愛知・岐阜で住宅を建てる際は、専門家と相談し、適切な耐力壁を配置することが安全な住まいづくりのポイントになります。

スタッフブログ

アーカイブ

最近の記事一覧

LINE友達登録・メルマガ登録で最新の見学会情報をお届け

こんな方にLINE友達登録・メルマガ登録が便利です!
  • 希望に一致する家の見学会が開催されていない
  • 見学会に行ってみたいけど開催場所が家から遠い
  • 見学会に参加しようとしたらすでに定員に達していた

 新築やリフォーム、
家づくりに関することなら
何でもお気軽にご相談ください

無料相談会やイベントも開催しています。
家づくりのお困りごとはプロにご相談ください!