耐震構造が向いている建物

耐震構造は、正方形や長方形に近いシンプルな形状の建物に適しています。
建物の高さや重心が低く、壁や柱が均等に配置され、構造バランスが良いことが重要です。

一方で、凹凸の多い複雑な形状の建物は、地震時に特定の部位へ力が集中しやすく、耐震性能を確保しにくくなります。
L字型プランや吹き抜けによって壁量が不足する建物は、十分な構造補強を行わない限り耐震リスクが高まるため注意が必要です。
耐震構造を採用する場合は、できるだけシンプルで整形な建物形状が適しています。

制震構造が向いている建物

制震構造は、タワーマンションや超高層ビルなどの高さのある建物に適しています。
また、敷地条件により建物形状が制限されやすい都市部のオフィスビルや、風揺れの影響を受けやすい縦長の建物にも有効です。

一般的な戸建て住宅にも採用可能で、地震時の揺れを吸収・低減することで、
・家具の転倒防止
・内装や構造体の損傷リスク軽減
といった効果が期待できます。

近年では、一般的な戸建て住宅向けに設計された制震装置も増えており、耐震性能を補完する選択肢として検討されるケースもあります。
愛知・岐阜エリアでも、風の強い地域や台風の影響を受けやすい立地では有効な構造です。

免震構造が向いている建物

免震構造は、病院・消防署・避難所などの防災拠点施設に特に適しています。
また、高層マンションやタワーマンション、大規模な公共施設、重要な資産や設備を保護する建物にも多く採用されています。

地震時の建物の揺れを大幅に低減できるため、
・家具や設備の転倒・破損防止
・地震後も機能を継続できる
という点が大きな特長です。

「揺れを極力抑えたい」「太い柱を減らして開放的な空間を確保したい」といったニーズに対応できる構造です。