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LCCM住宅の認定基準とは?CASBEEとサステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)について徹底解説!

注文住宅

2023/06/16(金)

皆さんはLCCM住宅って聞いたことはありますか?
今は省エネ住宅やよく耳にする「ZEH」などCO2排出問題の解決策として、環境への負荷を軽減させる住宅が普及しています。その中でもさらに上位目標として設定されているのが「LCCM住宅」なのです。

今回は少し難しいお話ですが、LCCM住宅について分かりやすく解説します。

*もくじ*

1│LCCM住宅の概要

2│LCCM住宅の認定に必要な要件

3│LCCM住宅の認定基準を住宅づくりに取り入れるポイント

4│LCCM住宅を建てるときの工務店の選び方

5│LCCM住宅の事例

6│まとめ


1.LCCM住宅の概要

それではLCCM住宅の基本から説明していきましょう。

LCCM住宅の定義と特徴

LCCM(エルシーシーエム)住宅とはライフサイクルカーボンマイナスの略で住宅の長い寿命の中、建設時や運用時、廃棄時においても二酸化炭素CO2を出来るだけ出さないようにする取り組みのことです。
また、太陽光発電などによる再生可能エネルギーを創り出すことにより、住宅を建設する際や日常でもCO2の収支をマイナスにする住宅です。それならZEHと同じじゃないのかと思いますが、LCCM住宅はさらにその上を目指す目標設定があります。

ZEHはCO2削減を住宅に入居してからのCO2収支に焦点を当て、マイナスかあるいはゼロを目指す住宅のことです。それに対してLCCM住宅は、入居してからだけではなく建築時や改修時、入居中はもちろんのこと解体する時までのプロセスを考えて、トータル的にCO2を削減していくという住宅づくりなのです。

LCCM住宅の特徴としての具体的な取り組みは次のような内容です。

①建設中

建築中は建材の使用料を削減し出来るだけ廃棄する量を減らすこと、またCO2が発生しにくい建材を使用すること。

②居住中

省エネ基準の高い性能の住宅づくり(断熱等級の高い住宅)と太陽光発電と蓄電池の再生可能エネルギーを創ること、耐用年数の高い長寿命の住宅を建てる。

③解体時

産業廃棄物の削減と解体時に排出されるリサイクルの促進。

このようにLCCM住宅は居住中のZEH住宅の仕組みを活用しながら、建築時や解体時にもCO2削減を意識した新たな取り組みを行っていく住宅なのです。

 

認定基準のポイントと評価方法

LCCM住宅の認定基準のポイントと評価の方法を見ていきましょう。

LCCM住宅として認定されるためには「一般財団法人建築環境・省エネルギー機構」に設置された認定委員会の審査を受ける必要があります。対象になる建築物は建物が完成して3年以内の一戸建て専用住宅です。
申請については建築主や設計士、施工業者や販売している会社も行うことができます。

認定基準のポイントと判定方法は、LCCM住宅部門の基本要件適合判定ツールにて評価した計算結果が「適合」である住宅。
もしくはCASBEE(キャスビー)戸建評価認証制度に基づき認証された環境効率ランクがSまたはAであり、かつライフサイクルCO2ランクが緑5つ星である住宅となっています。


2.LCCM住宅の認定に必要な要件

次にLCCM住宅の認定に必要な要件について見ていきましょう。

CASBEEの概要と達成方法

CASBEE(キャスビー)とは建築環境総合評価システムのことです。
建物の環境性能をS・A・B+・Bー・Cの5段階で評価して格付けします。
省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観の配慮なども含めた建物の品質を総合的に判断するシステムです。
LCCM住宅の認定に必要な要件は上位の「S」もしくは「A」のランクでなければ達成しません。

サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)の概要と達成方法

サステナブル建築物等先導事業とは低炭素への先導的なプロジェクトに対して国土交通省が支援する取り組みのことです。

サステナブル建築物等先導事業は4つに分かれていて、その中に「省CO2先導型」があります。
「省CO2先導型」では省CO2の実現性に優れたリーディングプロジェクトとなる住宅と建築プロジェクトが対象になっています。
新築される住宅や建築物についてはZEH基準の水準の省エネルギー性能を満たすものであることが必要です。
また、材料、設備、設計、運用システム等においてCO2の削減と健康維持、災害時の継続性や少子化対策等に寄与する先導的な技術が導入されているものであることといった要件を満たしていることが必要とされています。


3.LCCM住宅の認定基準を住宅づくりに取り入れるポイント

それではLCCM住宅の認定基準に達する住宅づくりは具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。そのポイントを見ていきましょう。

まずLCCM住宅は高性能断熱材や気密性の高い建材を使った住宅であることが必要になってくるでしょう。例えば断熱材であれば高性能グラスウールや発泡ウレタン断熱材、リサイクル紙から作られたセルロースファイバー断熱材などを使用すると効果があります。

また、家の断熱性能を上げるためには熱が最も逃げやすい窓サッシの性能が重視されます。最近では樹脂サッシでペアガラスもしくはトリプルガラス、アルゴンガスが注入されていてLow-E皮膜が施されている窓サッシがほぼ主流になっています。
さらに基礎断熱や外断熱など住宅メーカーによって断熱性能と気密性をアップさせています。

つまりLCCM住宅の認定基準をクリアするためには、断熱材と窓サッシは高性能の基準を満たしている製品を使用していなければ難しいということです。
LCCM住宅はあくまでもより高い基準のCO2削減を目標としているので、高断熱高気密住宅は必須です。

その他にはやはり太陽光発電で再生可能エネルギーを創ることです。 自分の家で使う電気は自分の家で発電させるという考え方のもと、太陽光パネルと蓄電池はCO2削減重視を目標にしているLCCM住宅に求められるといえます。


4.LCCM住宅を建てるときの工務店の選び方

次にLCCM住宅認定の住宅を建てるには、どのような工務店に頼めば良いのかを見ていきましょう。

まず高断熱高気密住宅を住宅の基本と考えている工務店で、それに見合う仕様で住宅づくりを行っている意識の高い工務店を選びましょう。
断熱等級はもとより断熱材の種類と性能、窓サッシの種類と性能などを確認することが必要です。また、基本的にLCCM住宅に意識の高い工務店でなければ認定されるのは難しいでしょう。

さらにいくら高性能の断熱材や気密性の高いサッシを使用していても施工する大工職人の技術が伴わなければ良い工務店とはいえません。大工職人の技術のレベルが低いと建物にわずかな隙間が所々発生します。そうなればいくら良い建材を使用していても室内から室外に空気が逃げ、反対に室外の空気が室内へ侵入します。

つまり、LCCM住宅を希望するのであれば高断熱高気密はもちろんですが、大工職人のレベルも影響するので経験と実績のある信頼できる工務店を選ぶことをおすすめします。


5.LCCM住宅の事例

①換気を良くするための換気塔を設置する

室内の換気を良くするために通風を活用し夏の室内の湿気や熱気を排出します。

➁太陽光パネル・太陽熱温水パネル・蓄電池

電気と温水は太陽光から取り入れ、発電した電気は蓄電池で蓄えます。

➂大開口の窓・袖壁

冬の太陽熱と光を取り込むため大きな窓を設置します。また袖壁を設置して風と光を取り込むように設計しています。


6.まとめ

LCCM住宅の実現はCO2マイナスを目指す住宅であり、居住中だけではなく建築時や解体時のことも考えて作られた住宅です。
快適な住空間と光熱費の節約にも役立ち環境負荷にも貢献できます。
導入するコストが増えてしまうデメリットはありますが、国や自治体の補助金やランニングコストの削減分を考えればメリットは大きいのではないでしょうか。

 

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